歯周病と喫煙
2023年05月29日
皆さんは歯周病とはどんな病気かご存じでしょうか?
現在では虫歯よりも歯を失う原因になってしまう程の病気とも言われています。
歯周病の最大の原因はプラーク(歯垢)と言われる歯周病原菌細菌になっており、原因を含めて歯周病について知っている方も多いのではと思います。
(もし歯周病がよく分からないという方は令和5年5月25日の投稿の〈歯周病とは…〉をご覧下さい。)
では、歯周病を悪化させてしまう要因についてはいかがでしょうか。
歯周病を悪化させてしまう要因は複数ありますが、その中の一つに喫煙が挙げられます。更に言ってしまえば喫煙が歯周病を悪化させてしまう一番の原因と言えます。
たばこの煙や成分は粘膜や歯肉から吸収され血管に悪影響を及ぼします。具体的に言うと血管が収縮してしまうのです。血管を通る血液によって栄養や酸素が運ばれておりますが、血液の通り道である血管が収縮すると十分な栄養や酸素が行き渡らなくなります。
そうなると歯周病菌は活発になり、より歯周病が進行しやすく歯が抜けていってしまうことに繋がります。しかし、喫煙していると血行が悪くなる故に歯肉の出血や炎症が表に出てきてくれないので気付いた時にはもう手遅れ…ということも少なくありません。
喫煙者の方は歯周病が進行しやすくもなりますし、そもそも歯周病になりやすくもなってしまいます。
喫煙者は非喫煙者に比べて2~8倍歯周病に罹患しやすい
引用:日本歯周病学会歯周病治療の指針2015
という報告もされています。更に悪いことに喫煙者の方は歯周病治療を受けて頂いたとしても、非喫煙者の方と比べると予後が良くないこともわかっています。
非喫煙者の方と同じように時間とお金をかけたとしても相応の結果を得られないことの方が多いです。
イメージしやすくこちらの画像をご覧ください。

1日に30本たばこを吸っている方が1年間に体内に取り込むタールの量
これは1日に30本たばこを吸っている方が1年間に体内に取り込むタールの量を表したものです。これを飲みたいという方はいらっしゃるでしょうか。恐らく居ないと思います。ですが、喫煙をしている方はこれを飲んでいるのと同じようなことをしているのです…!さらに言うとたばこには副流煙がありますので、周りの人達にもこれを飲むことを強要している…状態になってしまっているかも…?
さて、ここまでをまとめますと喫煙をしていると
・歯周病になりやすい
・歯周病が進行しやすい
・歯周病の進行具合がわかりづらく手遅れになることが多い
・歯周治療を受けていても予後が悪い
というデメリットが挙げられます。もちろんお口の中だけでなく全身にも悪影響を及ぼします。正直歯科医院からすると喫煙というのはデメリットしかありません。まさに百害あって一利なしという言葉が相応しいのです。
様々な事情があり、たばこを止めたくても止められない方が多くいらっしゃるのもよくわかります。
ただその一本が貴方の人生に悪影響なのもまた事実なのです。
是非、当院で禁煙のお手伝いをさせて頂けたらと思いますのでお気軽にお電話ください。