大人の虫歯は遅れてやってきます…
2023年12月11日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
いつの間にかすっかり寒くなりました。温かい飲み物や軽食、夜食など摂られる機会も増えたのではないでしょうか。
体を冷やさないようにすることは大事ですが砂糖入りの飲み物をゆっくりちょこちょこ飲むことや、夜食後すぐに寝てしまうことが癖にならないように注意が必要です。
話は変わりますが現在20代の方、大人になってから虫歯にならなくなったと感じている方いらっしゃいますか?
大人になって歯磨きが上手になった、甘いジュースやお菓子を頻繁に口にしなくなった、それも虫歯にならなくなった理由です。
しかし、あまり歯を磨かない、食事やお菓子もだらだら食べてしまう、そんな風な生活を子供の時から変わらず送っている方のほうがもしかしたら虫歯にならなくなった、歯が強くなったと感じておられる方は多いかもしれません。
20代というのはちょうど永久歯が生え揃い、歯の表面のエナメル質にカルシウムが蓄えられ、虫歯菌の出す酸にも強くなってきている年代なのです。歯は萌出してすぐは無機質の割合は7割ほどですが日常繰り返す再石灰化の中で9割を超えるようになります。(萌出後成熟といいます)
そして永久歯は乳歯よりももともとエナメル質の厚みがあり、その下の象牙質が虫歯に至るまでも時間がかかります。このようなことから虫歯ができるような生活を送っていても歯が痛くならない期間がちょうど20代に訪れる方が多いのです。
痛くないことはよいことですが適切なブラッシングや生活習慣が伴わない場合、今後怒涛の虫歯ラッシュの30~40代を迎えることになるかもしれません。
そう、いくら強いとはいえ、口腔ケアを怠って好き放題に飲食していれば再石灰化が間に合わずエナメル質は溶けてしまいます。
歯は確かに萌出後成熟により強くなっていますが、虫歯にならないわけではないのです。
さらに象牙質も厚みを増していき、その過程で歯髄腔と呼ばれる神経が入っている部屋の面積も狭くなります。その為エナメル質が溶けて象牙質に虫歯が到達した後も虫歯がある程度進行しなければ痛みもありません。
怖いのは明らかに虫歯になるだろうと思われる生活習慣をしながら、虫歯にならない・痛くならないために「この生活を続けても自分は虫歯にはならないんだ」と勘違いをして長期間過ごしてしまうことです。
乳歯の時に虫歯を何回も経験している場合、「歯はすぐ虫歯になる」「虫歯になったら痛いものだ」と記憶されると思います。乳歯はエナメル質も薄く、歯髄腔の占める範囲が大きいためエナメル質が溶けてから痛みが出るまでの時間がとても短いです。速いと1週間から10日で虫歯が神経まで到達してしまいます。その為なかなか虫歯にならない永久歯の酸への耐久性を「虫歯にならない」と過信してしまうのです。
こういったことが起こらないようにするために思いつくのは定期健診を受けることでしょうか。
定期的に通うことが一番望ましいですが難しければ1年に1回、歯医者さんに診てもらうといいと思います。真の理想は保護者の方がお子さんを定期健診に連れていき、小さいころから定期健診を受ける習慣をつけてもらうことです。
歯が痛くなくても歯科医院に行くことが習慣になればこういった一連のことは起こらないでしょう。
今でも10年、20年歯医者には行ったことがないと来院される方の中には歯が歯石に覆われていたり知らない間に虫歯が複数できていたという方はいらっしゃいます。
歯は金属やプラスチックに置き換えることはできても元には戻りませんので定期健診でご自身の歯を守っていただけたらいいなと思います。