生活習慣病〈心疾患〉
2023年12月4日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
12月になり本格的な寒さとなってきました。
寒くなると体調を崩しがちです。
日頃から健康的な生活習慣を送り、風邪に負けないようにしましょう!
では今回は生活習慣病の1つと言われている心疾患についてお話します。
*心疾患とは
心筋梗塞など心臓に生じる病気の総称のことです。
*心疾患の原因
病気の種類にもよって原因は変わります。
今回は心疾患の中でも代表的な虚血性心疾患、不整脈、心不全の3つの疾患についてご紹介します。
・虚血性心疾患
動脈硬化などで心臓の筋肉に酸素を届ける重要な役割を持つ冠動脈が上手く機能せず起こります
何故上手く機能しなくなるのかというと動脈硬化や血栓などが挙げられます。
※脈硬化とは血管の壁がコレステロールや中性脂肪がたまってしまい詰まってしまったり、弾力がなくなって硬化してしまったりして、血液の流れが悪くなってしまった状態です。
詳しくは脳血管疾患の記事をご覧ください。
・不整脈
不正脈とは脈が一定でない状態を指します。
脈拍数が1分間に50回以下で徐脈、100回以上で頻脈、トントトトンというように脈が飛ぶような状態を期外収縮と分けられます。
徐脈、頻脈、期外収縮これら3つとも不整脈と言われています。
原因としては加齢や高血圧等が多いようです。
・心不全
心不全とは「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義されています。
心臓が悪くなる原因として生活習慣病やその他の心臓の疾患等が挙げられます。
それらの理由のせいで心臓に負担が掛かり心臓のポンプ機能が低下してしまい全身へ血液が送り出しにくくなってしまうことで起きる疾患です。
*虚血性心疾患の種類
・狭心症
冠動脈が動脈硬化などで狭くなり心臓に酸素や栄養が行き渡らなくなってしまう疾患です。
狭心症にも種類があり、
労作性狭心症…比較的安定はしているが胸部の痛みや違和感がある。
動くと必要な酸素が増えるのでその分心臓の筋肉が酸欠になりやすい。
不安定狭心症…状態はあまり安定しておらず必要な酸素量が増加しなくても酸欠になりやすい。
冠攣縮性狭心症…普段は特に症状は無いが冠動脈が痙攣して細くなり酸素が行き渡らず酸欠になりやすい。
・心筋梗塞
狭心症と似ていますが、心筋梗塞は冠動脈が動脈硬化等で完全に塞がってしまっている状態です。
症状としては突然胸や背中に激痛が続いたり胸部周辺に違和感や圧迫感を覚えたりなどです。
*口腔との関り
・心疾患は口腔内の細菌からも進行していくことが多いです。
普段のブラッシングや食事等の生活習慣次第で悪化させたり、予防に繋げられたりします。
生活習慣病〈脳血管疾患〉
2023年11月16日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
朝や夜の冷え込みが深まってきましたが、皆さん体調はいかがでしょうか?
普段から体調を整え寒い時期を乗り越えましょう!
さて、今まで高血圧、糖尿病のお話をしてきました。
今回は生活習慣病の1つとされている脳血管疾患についてお話したいと思います。
*脳血管疾患
・脳血管疾患とは脳の血管等に異常が起こり発症してしまう病気の総称です。
*脳血管疾患の原因
・特に生活習慣病の中の高血圧による動脈硬化が大きな原因になります。
動脈硬化とは血管の壁がコレステロールや中性脂肪がたまってしまい詰まってしまったり、
弾力がなくなって硬化してしまったりして、血液の流れが悪くなってしまった状態です。
動脈硬化が進行すると脳血管疾患だけでなく、心疾患も引き起こす恐れが高くなります。
*動脈硬化の種類
・アテローム(粥状)動脈硬化
血管(動脈)にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)がこびりつくと血管内に粥腫が
できて血流が悪くなります。
粥腫とは字の通りお粥のようなどろどろした塊でアテロームやプラークとも呼ばれます。
粥腫が破裂してしまうと血栓ができてしまい、脳梗塞や心筋梗塞に繋がってしまいます。
・中膜硬化(メンケベルグ型動脈硬化)
動脈は3構造になっており、外膜、中膜、内膜の3つの層で構成されています。
中膜硬化とは高血圧等が原因で動脈内の中膜にカルシウムが沈着してしまい、
硬くなることです。
硬くなると石灰化し血管の壁がもろくなって破れてしまうこともあります。
・細動脈硬化
細動脈硬化は主に脳や腎臓の細い動脈が加齢や高血圧などで硬く脆くなってしまうことです。
他2つの動脈硬化と同じように血管が破裂してしまう可能性が高くなり脳血管疾患に繋がります。
*脳血管疾患の種類
今回は脳卒中に言及します。
脳卒中も大きく分けて2種類に分けられます。
血管が詰まるタイプ(虚血性脳卒中)
血管が破れるタイプ(出血性脳卒中)
です。
・虚血性脳卒中
脳梗塞とも言われます。脳梗塞にも種類があり
- アテローム血栓性脳梗塞…アテローム動脈硬化が原因で起こる脳梗塞
- ラクナ梗塞…脳の奥にある穿通枝と呼ばれる細い血管が詰まることで起きる脳梗塞
- 心原性脳梗塞検症…心臓で出来てしまった血栓が血流に乗って脳にまで運ばれて脳の血管を詰まらせてしまうことで起きる脳梗塞
・出血性脳卒中
- 脳出血…何らかが原因で脳の血管が破れ出血してしまい、それによりできた血腫が脳を圧迫し障害を引き起こす疾患
- くも膜下出血…脳の表面にあるくも膜下腔という隙間に出血が生じる疾患
脳血管疾患も生活習慣病の1つとされていますし、高血圧などの生活習慣病も多いに関係してきます。
生活習慣病同士が連鎖してより深刻な全身疾患に繋がることが多いの生活習慣には十分気を付けましょう!
生活習慣病〈糖尿病〉
2023年10月30日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
今回は生活習慣病の中の1つ糖尿病についてのお話をしていきます。
*糖尿病とは
・食事をすると基本的には血糖値が上がります。
しかし、すい臓から出るホルモンの「インスリン」によって血糖値を一定の数値に保つことができます。
逆に言えば「インスリン」が上手く機能していなければ血糖値を下げることができずに糖尿病になってしまいます。
初期症状としては「喉がやたらと渇く」「排尿の回数が増える」「疲れやすくなる」などです。
・インスリンとはすい臓の中にはランゲルハンス島と呼ばれる細胞の集まりがありさらにその中のベータ細胞から分泌されるホルモンです。
ちなみに人間の体の中で血糖値を下げることができるホルモンはインスリンだけです。
*血糖値について
・血糖値とは血液中のブドウ糖の量のことになります。
・空腹値血糖値
10時間以上水以外飲まずに絶食し検査したときにわかる血糖値です。
正常型…100未満
境界型…110~126未満
糖尿病型…126以上
となっており、126以上血糖値があると糖尿病と診断されます。
この数値だと糖尿病のリスクが高くなっていることがわかります。
※境界型とは血糖値が正常型と糖尿病の間にある数値です。
・随時血糖値
食事の時間に関わらずに検査したときにわかる血糖値です。
正常型…140未満
境界型…141~200未満
糖尿病型…200以上
となっており200以上だと糖尿病と診断されます。
・ヘモグロビンA1c(以下HbA1c)
HbA1cは過去1~2ヵ月の血糖値の平均の数値です。
年齢でも正常値は変わりますので注意が必要です。
正常型…5.2未満
境界型…5.2~6.1未満
糖尿病型…6.1以上
となっており6.1以上だと糖尿病と診断されます。
*1型糖尿病
・1型糖尿病は正確には生活習慣病ではありません。
何らかの理由ですい臓のベータ細胞が破壊されインスリンが上手く分泌できなくなり、結果血糖値を下げられなくなる糖尿病です。
10~20代に多く若年性糖尿病とも言われます。
*2型糖尿病
・2型糖尿病は普段の生活の乱れや遺伝的なもので引き起こされる糖尿病です。
高血糖になるものを常時食べているとその分すい臓の負担も大きくなり、インスリンの分泌が少なくなったり、効き目が弱くなったりします。
運動不足や過食等が原因ですので規則正しい生活を送ることが予防のために重要です。
*糖尿病の3大合併症
・糖尿病網膜症
高血糖の状態が続くと網膜内の毛細血管がつまり視力低下や失明してしまいます。
・糖尿病腎症
血液をろ過し尿を作る腎臓の毛細血管がつまりろ過機能が正常に働かなくなってしまいます。
最悪人工透析を行う必要も出てきます。
・糖尿病神経障害症
全身にある毛細血管への血流がつまったり悪くなったりすると神経細胞への血液供給が途絶えてしまいます。
そうなると手足の痛みや痺れ、最悪切断しなくてはならないという症例もある症状です。
*歯周病との関連
・歯周ポケットから血管に炎症関連の化学物質が流れてしまうとインスリンが効きにくくなり糖尿病が悪化してしまいます。
歯周病を治療すると血糖値が改善される例も多く報告されています。
逆に糖尿病を治療すると歯周病が改善されるということもあります。
正しい生活習慣で糖尿病を予防していきましょう!
生活習慣病〈高血圧〉
2023年10月26日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
生活習慣病についてのお話は見て頂けましたか?
生活習慣病は日々の生活の中で、運動不足や睡眠不足などが原因で起こる疾病の総称です。
今回は生活習慣病の中の疾病の1つである高血圧についてお話します。
*血圧とは
・まず血圧とは心臓から送り出される血液が血管の壁を押す力、圧力のことを指します。
・血管が収縮されていればその分押し出す力が強くなるので血圧が上がることに繋がります。
*血圧でわかること
・血圧は健康のバロメーターと言われるほど重要な要素です。
血圧の高さや低さによって病気の有無やなり易さなどがわかりやすくなります。
*血圧の基準値
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2020」参照
・1度高血圧、2度高血圧、3度高血圧、収縮期高血圧は全て高血圧に分類されます。
・収縮期高血圧は特に高齢者に多く見られ、心臓が収縮した時に血圧が高くなってしまうものです
*高血圧について
・血圧が高くなると血管に掛かる圧力が高くなります。
一時的なものなら基本的に問題ありませんが、長期間続くと血管に負荷が掛かり血管が分厚くなります。
さらに弾力や柔軟性もなくなっていきます。
血管が分厚くなればなるほど血液が通る道が狭くなるので、血栓(血の塊)ができやすくなり脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こします。
・白衣高血圧
白衣を見たときに一時的に血圧が上がってしまうことです。
なので病院に来た際にこの白衣高血圧になってしまう人がいます。
ですが、この原因は基本的に緊張によるものなので医師やスタッフとの信頼関係を築けたり、治療に慣れることができたりすれば自然と治まることもあります。
・持続性高血圧
病院でも家でも常に血圧が高い状態です。
白衣高血圧が長期間続くとこちらの持続性血圧に移行する場合があります。
・仮面高血圧
起床時の血圧が高い「早朝高血圧」と就寝中に血圧が高くなる「夜間高血圧」、昼間や仕事中に高くなる「ストレス性高血圧(職場高血圧)」などに分類されます。
*低血圧
・現在日本では低血圧の定義は明確にはされていません。
ただ一般的に最高血圧が100mmHg以下だとそう診断されることが多いようです。
低血圧になると血液の巡りが悪くなっているので酸素や栄養が全身に上手く回らない状態になってしまっています。
高血圧でも様々な症状が出ますが、血圧が低い低血圧の状態が長く続くと立ち眩みや頭痛、食欲不振など様々な症状が出てしまいます。
*口腔内への影響
・降圧剤のカルシウム拮抗薬による副作用による歯肉増殖が挙げられます。
場合によっては歯が埋もれるくらい歯肉が腫脹してしまうのでプラークコントロールが困難になり歯周病が悪化する原因になります。
高血圧は口腔内にも全身にも悪影響を及ぼすことが多いです。
適切な生活習慣を送るように予防していきましょう。
アルコールの摂りすぎに注意!
2023年9月25日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
突然ですが皆さんお酒は好きですか?
〈酒は百薬の長〉という言葉にもあるように適切に飲むことができればメリットを得られます。
ですが逆に適正量を超えて摂取してしまうとお口の中は勿論、身体全体にも悪影響を与えてしまいます。
今回は薬にも毒にもなってしまうお酒のことについてお話していきます!
*お酒を適量飲むメリット
・食欲増進
適量のお酒であれば胃酸の分泌が促進され食欲が増し必要な栄養を摂取しやすいです。
・リラックス効果、ストレス解消
アルコールは理性を司る大脳新皮質(脳の表層部分)の働きを鈍くさせることで心の緊張をほぐしリラックス効果やストレス解消にも役立つことがあります。
・円滑なコミュニケーション
お酒を適量飲むことで精神が高揚し会話が弾みやすくなりとされています。
お酒にはメリットが色々あります。
ただ再度知っていて欲しいのはあくまでも適量のお酒を飲んだ時ということです。
*お酒の適量
・性別や年齢などで個人差はありますが1日純アルコール20g程とされています。
・純アルコール20gに相当するお酒の量の例
ビール(5%) 500ml缶 1本
ワイン 200ml 約グラス2杯弱
ウイスキー 60ml 約ダブル1杯
とされています。
適量に気を付けお酒は楽しく嗜みましょう。
最初に記した通り、お酒は適量であればメリットを得られることが多いです。
逆にアルコールを適量以上摂取してしまうとどうなるでしょうか
*お酒の虫歯リスク
・糖分の入ったお酒
アルコール自体に糖分は含まれていませんが種類によっては糖分が入っているので虫歯のリスクが高くなってしまいます。
糖分が含まれるのは基本的に醸造酒になっています。
醸造酒…ワイン、ビール、日本酒など
逆に蒸留酒にはほとんど糖が含まれていません。
蒸留酒…ウイスキー、焼酎、ブランデーなど
糖が含まれていない分虫歯のリスクは減りますが飲みすぎには注意が必要です。
・Ph(ペーハー)が低い
Phとは酸性、中性、アルカリ性を示す単位です。
数字が低ければ低い程酸性になります。
口腔内は個人差などありますがPh5.4以下になるとエナメル質が溶け出してしまいます。
糖分がほとんど含まれないウイスキーでもPh5.0程などでお酒は虫歯のリスクになることがわかります。
・利尿作用、脱水作用
アルコールには利尿作用があり、さらにアルコールを分解すること自体にも体の水分が必要です。
摂取したお酒以上の水分が失われてしまうので口腔内が乾燥し虫歯・歯周病のリスクが上がり最悪脱水症状を引き起こすこともあります。
・歯磨きが億劫になってしまう
お酒を飲むと、いい気分になれますよね。
ただそれと同時に歯磨きが億劫に感じて歯磨きがキチンとできず、磨き残しが多くなることがあります。
お酒以外もそうですが、食べたり飲んだりした後は歯磨きをしっかり行いましょう!
お酒にもメリット、デメリットがあります。
お口の中や全身の健康状態を考えて楽しくお酒を飲みましょう
歯の構造〈歯髄〉
2023年9月11日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
8月も終わり9月半ばになりました。
暑い日がまだまだ続きますが気持ちを切り替えていきましょう!
今回は歯の根っこにある歯髄という神経についてお話していきます!
*歯の構造
・エナメル質
・象牙質
・セメント質
・歯髄と言われる歯の神経
*歯髄の役割
・歯髄の主な役割は栄養を歯に運ぶことです。
歯髄が無いと栄養が行き渡らなくなってしまうので歯は脆く、弱くなってしまいます。
ですので、出来る限り歯を長持ちさせられるように歯髄を残すことを基本に治療を進めていきます。
・痛みやしみるなどのアラートで異常を知らせてくれます。
歯髄は熱さや冷たさなど全ての感覚を痛みとして受け取ります。
普段はエナメル質や象牙質などに歯髄は守られています。
ですがそこに痛みが生じるということは何か異常があるということになるので異常に気付きやすくなります。
・歯髄には象牙質形成能があるためある程度う蝕の進行を遅らせることができます。
虫歯や歯周病、稀ではありますが咬合性外傷(くいしばり、歯ぎしりなど)からも歯髄に異常をきたす場合があり歯髄炎になる可能性が高まります。
歯髄炎も色々な分類があるのでご紹介します。
*歯髄炎
歯髄炎を大きく分類すると二つに分けられます
・可逆性歯髄炎
歯髄を取り除くという処置をしなくても回復する可能性のある状態。
具体的には〈歯髄充血〉と言われる状態です。
冷たいものや甘いものが少し、しみるくらいの症状になります。
・不可逆性歯髄炎
可逆性歯髄炎が治らなければ不可逆性歯髄炎に進行してしまいます。
ここまで進行してしまうと、痛みが強くなっていき神経の処置が必要になります。
*歯髄壊死
歯髄炎が進行すると歯髄壊死という状態になります。
歯髄壊死とは歯髄が死んで(失活)しまうことです。
こうなると一度は痛みが無くなりますが、回復している訳ではないので症状はどんどん悪化していきます。
*歯髄壊疽
歯髄壊死の状態から細菌感染を起こすと歯髄壊疽になります。
歯髄壊疽になると腐敗臭やより強い痛みが出てきます。
さらに人によっては咬合痛や熱いものに痛みを感じたりもします。
他にも歯が内側から黒くなり透明度が低下してしまうこともあります。
歯髄は健康的な歯を保つのにとても重要な組織です。
虫歯になったとしても出来る限り歯髄を取らず温存する治療を当医院でも推奨しています。
ですので定期健診をしっかり受け、手遅れになる前に処置を受けられるようにしましょう。
歯を健康に保つことによって美味しい食事で適切な栄養を摂取し、元気で長生きを目指しましょう!
歯並びが悪くなる!?口腔習癖について
2023年9月7日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
皆さんは歯並びが気になったことはありませんか?
綺麗な歯並びがあれば自然と笑顔になれるし、ブラッシングなどもし易く歯周病、虫歯になり辛くなります。
もちろん生まれ持ったものでもあるので簡単な話ではありません。
しかし歯並びに悪影響を与えるお口のクセ、口腔習癖というものを見直すことができれば、綺麗な歯並びを保つことができる可能性が上がります。
*拇指吸引癖(指しゃぶり)
・指しゃぶりは適齢期を過ぎてまで続けていると、出っ歯や開咬の原因になります。
大体3歳頃までならストレス解消や、学習、歯の発達(指しゃぶりをする事で歯肉などを刺激し歯 が正常に生えてくるという考えがある)などから必要なものとなっています。
ただし約3歳を過ぎていくと歯並びに悪影響を与えます。
さらには歯だけではなく言語能力にも関わってくると言われています。
*舌癖(弄舌癖)
・舌突出癖…舌を前に押し出してしまう癖です。
舌で特に前歯を押してしまうので出っ歯などの原因になり易いです。
・咬舌癖…無意識の内に舌を噛んでしまう癖です。
長期間噛んでしまっていると力が加わり歯並びに悪影響になります。
・異常嚥下癖…正常な嚥下であれば食物を飲み込む際舌は口蓋にくっついていて上下の歯は噛み合っています。
ですが異常嚥下癖は舌を前に押し出しながら飲み込んでしまうので、前歯を舌で押している状態になります。
・低位舌…舌が適切な位置より下にあり下顎の歯列弓にぴったりと収まっている状態です。
舌と歯が擦り合うことが多いので歯の跡が残ることが多いです。
*吸唇癖、咬唇癖
・吸唇癖は唇を吸ってしまう癖で咬唇癖は唇を噛んでしまう癖です。
主にストレスを感じた際などに指しゃぶりの代わりに出るとされています。
唇を吸ったり噛んだりしていると唇に歯が押され出っ歯や受け口になる可能性があります。
*口呼吸
・口呼吸をしているとお口が空きっぱなしになってしまうので、舌や顎の筋力低下や成長、発達にも悪影響があります。
顎が正常に成長しなければ歯並びにも影響します。
また口腔乾燥にもなってしまうので虫歯などのリスクも出てきます。
*態癖(日常生活の中で無意識に行う色々な癖)
・頬杖やうつぶせ寝、姿勢などの日常での癖です。
これが続くと最悪顎が歪んでしまったり、顎関節症の原因になることもあります。
様々な口腔習癖がありますが、意識して改善していければ綺麗な歯並び保を保つことができ、虫歯、歯周病のリスクを少なくできます。
どうぞ意識してみてください!
綺麗な歯並びで虫歯、歯周病のリスクを減らそう!
歯の構造〈エナメル質〉
2023年8月24日
皆さんこんにちは。淀川区加島の川越歯科医院です。
虫歯やフッ素のことについてのお話をしたことがありますが、基本的に虫歯になるのもエナメル質からで、フッ素を塗布し強くなるのもエナメル質です。
ですので今回はエナメル質に焦点を当ててお話していきます。
*歯の構造
・エナメル質
・象牙質
・セメント質
・歯髄と言われる歯の神経
歯の構造について
*エナメル質について
・硬度
エナメル質は人間の体の中で最も硬いとされている。
硬さを表すモース硬度は6-7くらいである。
ダイヤモンドのモース硬度は10とされているのでエナメル質は非常に硬い物質であるのがわかる。
エナメル質の役割は象牙質や歯髄を守ることである
・エナメル質の主成分
エナメル質の約97%がハイドロキシアパタイトでできている。
その中でも無機物の割合は約96-98%(主にハイドロキシアパタイト)で構成されている。
有機物の割合は約2-4%である。主にタンパク質などであり、エナメル質の形成と機能に重要な役割を果たしている。
・色と透明性
エナメル質は透明ではなく、微細な結晶構造により光が乱反射されるため、白っぽい色をしている。
ただし、エナメル質の色は個人差がある。
・形成
エナメル質は、歯の発達初期にエナメル芽細胞から形成されます。
エナメル芽細胞は、エナメリンやアメロゲニン(エナメリン、アメロゲニンはエナメル質に存在するタンパク質)を産生し、分解後には石灰化しエナメル質ができてくる。
ちなみに乳歯の歯胚(歯の卵のようなもの)が作られ始めるのが娠約6~10週目頃です。妊娠9~10週目にはエナメル質なども作られてきます。
・臨界Ph
通常口腔内のPhは約7.0の中性くらいです。
このPhが下がれば下がるほど口腔内は酸性に近づき虫歯のリスクが高くなります。
歯が溶け始めるのがエナメル質だと大体約5.5となっています。
象牙質だと約6.0~6.8で溶け出すとされているので、エナメル質がある程度酸に対して抵抗力を持っているのがわかります。
もちろん抵抗力があっても長期間の酸の曝露や口腔内の環境によって脱灰し虫歯になってしまいます。
唾液の機能の一つに再石灰化作用というものがあります。
これにより、エナメル質は初期虫歯程度であれば修復されることがあります。
エナメル質は、とても重要な役割を持っています。それは象牙質や歯の神経などを保護したり、硬いものを噛むためだったりと様々です。エナメル質を始めとして健康な歯の維持には適切なブラッシング、定期的な歯科検診、正しい生活習慣などが重要です。ご自身でも歯について理解し、適切なケアを行うことで、生涯入れ歯知らずで過ごせるように頑張りましょう!
お口の味方キシリトール!
2023年8月21日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
以前に虫歯になり辛い人工甘味料のお話をしました。その中でキシリトールも出てきていたと思います。
キシリトール人工甘味料の中でも特に虫歯予防を期待できるものになっています。
今回はキシリトールについて詳しくお話ししていきたいと思います。
*キシリトールについて
・糖アルコールの一種
・砂糖と同等の甘さを持つ
・砂糖の3/4程のカロリー
おさらいですが虫歯は、主に口腔内に存在する細菌が飲食物の糖分を代謝して生成する酸によって歯のエナメル質が侵されることで発生します。一般的な砂糖(ショ糖)を摂取すると、これらの細菌が増殖し酸を生成し、エナメル質が溶かされるので虫歯の原因となります。
ですがキシリトールは、これらの細菌の栄養にならないので代謝を妨げることで酸の生成を抑制することができ虫歯予防に繋がっていきます。
また虫歯の原因となる細菌の増殖を抑える効果があり、虫歯や歯周病の大きな原因である歯垢(プラーク)の形成を部分的に抑えることもできるとされています。
キシリトールは甘みを持つのでそれに刺激され唾液の分泌を促進する作用もあります。またキシリトール入りのガムなどであれば噛む回数が増えると思います。咀嚼すればするほど唾液が出やすくなりますのでこれも唾液の分泌を手助けします。
唾液には口腔内の酸を中和し、歯の再石灰化を促進する作用だったり、ある程度汚れを洗い流す自浄作用だったりと様々な力がありますので唾液の分泌が増えるといいことばかりです。(あなたのお口、乾いていませんか?縁の下の力持ち!唾液の役割とは?参照)
そのため、キシリトールを含むガムやタブレット、普通のお菓子の代わりにキシリトールが配合されたグミやチョコ、日常品であれば歯磨き粉などを上手に使用することで、虫歯のリスクを減少させることができます。
ただし、もちろんキシリトールを摂取するだけで完全に虫歯を防げるわけではありません。食後にはきちんとブラッシングをしたり、適切な食生活習慣などを心掛けたり、定期的なメンテナンスなども重要です。
ちなみにスーパーやコンビニなどで売っているキシリトール配合のガムはほとんどが約50%しかキシリトールが入っていません。
100%配合となると歯医者などでしか売っておりません。
当医院ではキシリトール100%のガムも販売しておりますので、お気軽に物品だけでも買いに来てください!
100%キシリトールガム
虫歯になりにくい人工甘味料!?
2023年8月3日
皆さんこんにちは。淀川区加島の川越歯科医院です。
プロテインのお話をした際に人工甘味料のことがチラリと出てきました。
なので今回は虫歯にならない人工甘味料についてお話していきたいと思います!
一般的に、人工甘味料の中には虫歯になりにくいものが多数存在します。まず虫歯は、口腔内の虫歯菌が糖質を分解した時に出てくる酸によって引き起こされます。この酸は歯質(エナメル質・象牙質等)を溶かし、虫歯を作ってしまいます。
人工甘味料は、砂糖の代替として使用できます。人工甘味料の中には砂糖の何倍も甘みを感じられるものもありますが、虫歯菌がエネルギー源として利用できないため、虫歯のリスクが低下する可能性があります。それでは虫歯になりにくい人工甘味料を紹介します。
人工甘味料
*キシリトール
キシリトールは砂糖よりもカロリーが低いとされています。さらには虫歯予防にも役立つ人工甘味料です。ただし、摂取しすぎると下痢を引き起こすことがあります。
*アスパルテーム
アスパルテームは砂糖と同じ1g約4カロリーですが、砂糖の約200倍の甘みがあるため少量で十分甘みを感じられます。多くの低カロリー飲料や食品に使用されています。また糖質ではなくアミノ酸で構成されているので虫歯のリスクが低いとされています。
*サッカリン(サッカリンナトリウム)
サッカリンは水に溶けづらく、サッカリンナトリウムは水に溶けやすい性質を持っています。砂糖と比べ約200~700倍の甘みがあるとされています。さらに体内に吸収されないので実質0カロリーです。また、食品だけでなく私たちに身近な歯磨き粉に使われていることも多いです。糖質系甘味料ではなく非糖質系甘味料なので虫歯のもとにはならないとされています。
*スクラロース
スクラロースは砂糖の約600倍の甘みを持ちます。虫歯菌はスクラロースを栄養にできないので虫歯の原因になり辛いとされています。さらに体内で代謝されないので0カロリーでもあります。熱にも安定しているので様々な食料品に使用されています。
*ステビア
ステビアは植物由来の甘味料で砂糖300倍の甘みがあり、自然な甘みを持ち糖の代替として広く使用されています。抗菌作用があり虫歯ステビアは虫歯予防にも役立つとされています。
これらの人工甘味料は、適切な量で摂取される限りにおいては、一般的には安全です。ただし、重要なポイントは、人工甘味料の使用が虫歯の予防策の一部であるとしても、良好な口腔衛生習慣(定期的な歯磨きやフロスの使用)を維持することが重要です。また、歯医者の定期的なメンテナンスを受けご自身での適切なセルフケアに努めることも重要です。