虫歯や歯周病じゃないのに歯が痛い!
2023年09月21日
皆さんこんにちは、淀川区加島の川越歯科医院です。
突然ですが、特に異常ありませんと診断されたのに歯の痛みが止まらない!となった事はありませんか?
実はそれ“非歯原性歯痛”(ひしげんせいしつう)と言われる症状かもしれません。
非歯原性歯痛とは歯や歯周組織に異常が見られないのに歯が痛いと感じる状態を指します。
歯科を受診された人の約3%はこの非歯原性歯痛に当てはまるそうです。
今回は非歯原性歯痛についてお話していきたいと思います。
非原性歯痛の原因は大きく分けて日本口腔顔面痛学会により8つに分類されます。
*筋・筋膜性歯痛
・食べ物を噛むときに使う咀嚼筋や、首や肩の筋肉のコリから起こる関連痛です。
※関連痛:脳が本来の痛みが出ている場所から離れた所が痛いと誤認識してしまうこと
*神経障害性歯痛
神経障害性歯痛には二つ種類があります。
・発作性神経障害性歯痛
これは三叉神経(主に顔面や口に分布している神経)が何らかの理由で傷付いてしまうことで起きる歯痛です。
瞬間的に電流が流れたような激痛が特徴です。
・持続性神経障害性歯痛
こちらは帯状疱疹が主な原因になる神経痛です。
じりじりとした痛みが長く続くことが多いです。
*神経血管性歯痛
・片頭痛や群発頭痛の関連痛として起こります。
※群発頭痛:片側の目が抉られるような激痛起こったり鼻水や目の充血といった症状が出る頭痛
*上顎洞性歯痛
・上顎洞に炎症が起きると関連して歯痛が引き起こされることがあります。
※上顎洞とは副鼻腔の一つで、上の奥歯の根尖の近くにある。
*心臓性歯痛
・狭心症や心筋梗塞など心臓に関連した病気から起こる関連痛です。
歯以外にも肩や背中など上半身にも関連痛を起こす事があります。
*精神疾患または心理社会的要因による歯痛
・統合失調症やうつ病などで起こる歯痛のことです。
また、心理社会的要因とは婚姻状況や生活環境、家族構成など様々な要因が原因で起こる歯痛です。
*突発性歯痛
・様々な検査をしても分からない原因不明の歯痛です。
70%から83%が抜歯などの歯科治療を契機に引き起こされるそうです。
時間経過とともに症状が変化することがあったり、原因が分かったりすることもあります
*その他の様々な疾患で起こる歯痛
・悪性リンパ腫や血管炎、薬物の副作用などで歯痛が起きることがあります。
※血管炎とは体中にある血管に対して炎症が生じること
虫歯や神経の処置、抜歯までしたのに全く歯の痛みが無くならないという方は非歯原性歯痛の可能性が高いです。
これは専門性が高い症状なので一般歯科だけではなく、口腔外科や場合によっては精神科などにも掛かる必要があります。
非歯原性歯痛の専門医・認定医のいる施設もありますので、悩んでいる方は是非調べてみて下さい!