摂食嚥下とは
2023年07月17日
皆さんこんにちは。淀川区加島の川越歯科医院です。
本格的に暑くなってきてきましたが夏バテなどに負けず皆さんは健康的な食事はできていますか?栄養が取れていないとサルコペニアやフレイルという状況に陥ってしまうことも…
ただしっかり食事をしようと思うと、食べる力つまり摂食嚥下能力が必要になります。
年齢を重ねると共にこの摂食嚥下機能は衰えていきます。
今回は摂食嚥下とは何か、ずっと美味しい食事を続けるためにはどうすれば良いかなどをお話していきたいと思います。
摂食嚥下とは
食べ物を認識し、口腔、咽頭、食道を通り胃に到達するまでの過程全てのことを言います。
摂食嚥下は更に5期にわけることができます。
*先行期
目で見て食べ物を認識し、大きさや硬さはどうかなどを確認する時期。
*準備期
視認した食べ物を実際にお口の中へ入れ、咀嚼し飲み込みやすいようにまとめ食塊形成する時期。
*口腔期
ひと塊にした食塊を喉の奥へ送り込む時期。
*咽頭期
嚥下反射によって食塊を食道に送り込む時期。
*食道期
食道から食塊を胃に送り込む時期。
このように摂食嚥下は大きくわけて先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5つに分類されます。お口の機能が衰えてしまっていると正常な摂食嚥下ができません。それは誤嚥にも繋がります。
誤嚥とは
食べ物などが何らかの理由で気管内に入ってしまうことです。
酷い場合は誤嚥性肺炎になってしまう場合も…
*誤嚥性肺炎
食事に飲み込んだものが上手く胃に到達せず、肺や気管支に入ることで起こる肺炎で、
特に75歳以上の高齢者に多いです。
では正常な摂食嚥下を行い、適切な栄養を摂取し健康的な生活を送るためにはどうすればいいでしょうか。
嚥下間接訓練法
間接法は食物を使わないトレーニング方法です。前提としてお口の中は清潔に保つことが必要ですのでお口のケアもしましょう。
*パタカラ体操(嚥下体操)
・パ→「パ・パ・パ・パ・パ」と5回ずつ言う。パの音は口を閉じた後大きく口を開けて発音しましょう
・タ→「タ・タ・タ・タ・タ」と5回ずつ言う。タの音は舌を上顎につけるように意識して舌の運動をしましょう
・カ→「カ・カ・カ・カ・カ」と5回ずつ言う。カの音は喉奥を締めるように意識して発音しましょう。
・ラ→「ラ・ラ・ラ・ラ・ラ」と5回ずつ言う。ラはタと似ていますが、ラの音は舌を丸めるイメージで発音しましょう。
パタカラの発音はそれぞれ食事を取る際に必要な運動と連動していますので是非毎日やってみましょう。
嚥下直接訓練法
直接訓練法は食物を使って行う訓練です。ですので、ある程度摂食嚥下機能が働いていることなどが必要です。
*食物の形態
その人の状態に合わせて飲み込みやすいペースト状にしたりゼリー状にしたりと形態を変えて実際に食物で嚥下訓練を行います。
徐々にきざみ食などから普通食に戻していくようにしましょう。
食べることは私たちにとって生きていく上で必要不可欠です。ですから健康的に長生きし、最後まで美味しい食事を食べ続けるためには摂食嚥下機能が重要です。
今回紹介させて頂いた訓練以外にも色々ありますので気になる方は是非調べてみてください